要望にどこまで応えるべきか

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処方せんをお持ちになった患者さんから様々な要望が出てくることがありますが、それにどこまで応えるべきなのか。時々考えます。例えば以下のような処方。

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ムコダイン錠250mg 6錠
1日3回毎食後服用 7日分
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○ 1回に錠剤2個服用するのは大変だから、1回1錠にして欲しい(500mgの存在を知っていて)
○ 錠剤は苦手だから粉にして欲しい(細粒、DSの存在を知っていて)
○ 服用の都度、ヒートから出すのは大変だから分包して欲しい
○ 分包されたものが手で切りにくいので、分包紙にあらかじめ切れ目を入れて欲しい
○ 分包紙の切れ目がどこか分からないから、切れ目の部分に色をつけて欲しい
いずれもあり得るケースだと思います。場合によってはもっと違う形の要望もあるかもしれません。
処方せんに基づく調剤ですので、はじめの2つのケースは薬局単独の判断で変更することはもちろんできません。処方せん発行元に問い合わせをする必要があります。
薬局の内部で完結することではないため、難色を示すところが多いですかね。処方医の意図もありますので、一概に問い合わせをするのがいいかどうかは判断できない部分もあります。
3番目の分包については、多くの薬局で分包するのではないかと思います。
4・5番目については多くの場合手作業ですることになります。一概には言えませんが、これらは患者側のワガママと取られるケースが多いでしょうか。
要望とワガママは紙一重みたいなところもありますのでケースによって違うでしょうが、薬局としては何を判断基準にしていったらいいのでしょうね。
個人的に思う大きな2つは、
「薬学的に見て妥当かどうか」
「患者の服薬行動に寄与するか」
という点だと思います。もっとも、それを判断するのが薬剤師の仕事でもあります。
上記に挙げた5つの要望例ですが、捉え方によっては全部患者さんのワガママにもなります。が、逆に言えば全部薬局のワガママと考えることも可能です。
「仕事が増えるから」「自動でできないから」「時間を割けないから」というのは全て薬局側の都合になるわけで、それを押し付けているとも言えます。
他の多くの患者さんが今の薬局のやり方に不満を感じていないとしても、全ての患者さんにそれを強制するのは酷であり、個々に合った方法を提案しなければならないのではないでしょうか。
様々な事情は考慮しつつ、できるだけ多くの要望に応えられるような体制にしていきたいものです。

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. ぽんた より:

    確かに難しい問題です。
    でも私は薬の管理はある程度自分で努力すべきだと思います。
    昔から薬局って親切でわがままを聞いてくれる場所ってイメージがあるようで、普通のお店屋さんなら目の前に売ってるのに「薬飲むのに水くれ」って言いませんよね。でもそういうことが当たり前のようにとおるサービス業だから、いろんな気ままが出てくるような気がします。
    4・5は高齢者だったら対策を考えようかなって思いますが、ただ面倒だからと言う若い方ならしませんね。
    実際こつがわかれば簡単に解決しますし。
    努力する気持ちは大切だと思いますが、、、世の中は激変し「しなければいけないこと」が多くなりすぎて、わけのわからん「分厚い安全マニュアル」とか、、、個人のレベルではついていけないことが多すぎて、そういう細やかな気配りに時間がさけないのは、、、
    結局行政の無理難題が悪い!に行きつきます。
    そう言えば、医科の今までのレセコンにつないで簡単に電子レセにできる「レセスタ」なるものを厚生労働省が格安で提供できるようにしてるそうです。
    調剤は?すべて自力で解決?医科より早く?
    やっぱりダメと思いつつ世の中の理不尽さに憤慨です。すみません。

  2. さとし より:

    今回の記事と関係ありせんが、ワイパックスの製造中止理由を教えてください。どうぞよろしくお願いします。

  3. さんまん より:

     すべて医者が決めることだと思っていたのであまり気にしなかったのですが。
     医師が患者の状態を診て正常に薬を飲むことができないのであれば分包であるというような感覚でいましたから。患者が薬剤師さんに駄々こねるような風景は見たことがないので何とも言い難いのですが。

  4. あくび より:

    確かに、患者様からの要望通りにこちらが答えていくことは、時間的、経済的に難しい場合もありますよね。でも、私は最近、薬局の仕事もサービス業であると感じています。薬剤師として、患者様の要望を受け入れるだけでなく、適切にこちらの意見を述べる必要もあるでしょうが、私は自分が相手にどうしたいかではなく、相手がこちらに何を望んでいるのかを考えて対応できたらなあと思っています。

  5. はなくり より:

    患者は医師に剤形の変更を言えないのが普通です。分業になって初めて自分が粉薬しか飲めないと明かした患者さんがいました。それまで、錠剤は全て捨てていたとのこと。5割負担の時も。(昔は5割負担でしたよ)もったいなかったけど、内緒にしていたそうです。
    薬局で言いやすいということは、患者の実態を知ることが出来るということです。
    要求をきくというマニュアルではなくて、要求の根拠を知るということが、大切だと思います。
    薬局は在宅に関わることになるでしょう。最近では商店主の戸別配達も復活しています。薬剤師が人として高齢者の生活に関わることになるのです。何が出来て、何が必要で、解決すべき糸口がどこにあるのか・・・などなどケース毎に知恵を絞ることが、社会から求められていると思いませんか?
    そうそう、ぽんたさん、
    若くても頑丈そうに見えても、指先の神経の障害という人がいますよ。見た目の思い込み判断だけは、避けてくださいね。必ず要求の根拠を知るという姿勢だけは忘れないでください。
    そして、若い皆様、
    薬剤師としてできること、人間としてサービスすること、健康保険としてのルール、どんな時でも、患者の自立した生活を支えるという視点を忘れないでください。つまり、わがままと感じる要求は、どうしたら手間を懸けずに患者自身が出来るかの情報を伝えて欲しいのです。いつも「やってあげる」という自立阻害にならないように。自立支援を個々に対応して知恵を絞ってください。そこが医療です。そして、薬局は医療機関です。個に対応するから、薬剤師の仕事はロボットに代わられる事が無い職業です。確かフランスの薬剤師には、剤形を決める権限があったと思います。
    日本の薬剤師さんたちに必要なことは、まずは患者の生活を知ることのようです。

  6. ぽんた より:

    はなくりさんへ
    私は「ただ面倒だと言う若い人」と書いたのですが・・・?
    障害のある人とか、当然対応するが「常識」じゃないですか?
    粉、錠剤、類似薬で飲みやすい用法への変更、やりがいはあります。でも医師にもそういうことが必要なことだと知ってもらうのが大変難しい。
    医師との連携、患者の心、分業はピラミッドでなければうまくいきませんね。

  7. より:

    「錠剤が飲めない」という人や逆に「粉薬は飲めない」という人、意外といらっしゃいます。嚥下障害がある方にはできるだけ対応して居ますが、そうじゃない場合はなんとか飲めるようになってもらいます。錠剤しか無い薬や散剤しかない薬だってあるからです。
    どの剤型でも飲めるようになる事にデメリットは無いですからね。
    その代わり、どうやったら飲みやすくなるかを患者さんやご家族の人と一緒に考えるようにしてます。
    「患者さんのワガママ」に関しては、聞いてるときりが無い事もあります。人によっては全く薬とは関係ない事へ発展して行く事も多いので、やはりある程度人を見てワガママを聞いている状況です。

  8. まじゃ より:

    私は薬局薬剤師の仕事の根幹は、適切な服薬を促す事だと思っています。それに付随して、ジェネリック等の金銭的な患者負担の軽減等。
    患者さんのわがまま、それが正しい服薬につながるなら大いに結構だと思います。無理だと思う部分もあることはわかります。でも、それを資金力に任せて大手がやってしまえば、患者さんはサービスの良いほうへいくと思います。
    また、厳しくいえばできない薬局は淘汰されてください(他で出来ていることが前提)。
    どうも、免許の更新等も含めて、きちんと出来ている薬剤師が、出来ていない薬剤師を排除しようと醜い争い(心の中の)があるように思いますが、患者側からしたら、面分業で家の傍にある薬局がかかりつけとしてレベルアップして、処方箋が分散されてこそメリットを感じます。待ち時間や適切な指導時間等・・・
    できる薬局に処方箋が集中して、意外と待ち時間が長かったり。
    本来、経営的なレベルも含めて、その各地方の薬剤師会が地域内で同じレベルのサービスを提供できるようにしていかなければいけないと思います。
    淘汰なんていってるのは、患者側から見ればはた迷惑。一瞬で淘汰が終わればいいけど。
    結局経済活動がなんと言っても多くの事柄の正否を握っている以上、わがままでも何でも、聞けなかったら苦しくなるって事じゃないでしょうか?

  9. もここ より:

    以前(5年以上前ですが)大手スーパーで一般薬を
    販売していました。
    その当時、脱マニュアルが叫ばれていました。
    「顧客は、マニュアルにうんざりしている。
    自分をいかに思っていてくれているかを
    基準にする時代である。」
    マニュアルは最低レベルであり、
    いかにマニュアルにない配慮ができるかを
    考えていました。
    薬局・病院では行き過ぎなのかもしれませんが、
    患者が病院・薬局を選ぶ時代です。
    過剰なサービスは無理というならば、
    過剰なサービスでなく、他では得られない
    薬剤師としての職能を発揮しないと、
    過剰なサービスを患者は選択すると思います。
    (患者自身は、過剰と思っていないでしょうし
    それを要望する何かはあるのですから)
    上手くいえませんが、
    薬局も患者に来てもらわなければいけない以上
    過剰なサービスまではいかなくても、
    わがままの対応はやむを得ない部分はあると思いますし
    しないならば、きちんとした説明が必要と思われます。
    (これが、面倒でサービスする所も多いのが
    現実ではないでしょうか。
    実際、患者に納得していただける時間をとるのは、
    サービスよりも手間がかかる場合も多いでしょうし)

  10. くま☆ より:

    >皆様
    コメントありがとうございます。非常に色々な考え方がありますね。どうもキーとなってきそうなのは「自立」と「サービス」のバランスでしょうか。
    薬局が或いは薬剤師が、その立ち居地をどこに置くかでかなり判断も変わってきそうです。患者さんとのそれまでの関係なども大いに影響しそうですし。
    >さとし様
    ワイパックスにつきましては、こちらの記事が何らかのお役に立てるかもしれません。
    https://blog.kumagaip.jp/article/2036768.html

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