薬学部の学生実習を行うにあたり、東京薬科大学、星薬科大学、昭和薬科大学、日本大学薬学部の4つの薬学部が調整機構を介さずに実習先を独自に確保するというニュース。
【薬学教育協議会・望月理事長】老舗4校の調整機構離脱に「モラル問われる」と批判(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry8960.html
上記4大学は調整機構に対する最も大きな不満として、
最後まで学生が具体的にどの薬局で実習をするかが分からない点
を挙げています。それに対して調整機構側は、
個別の条件まで聞いていると、とても5000人規模の実習は実現できない
といった事情を抱えているようです。
自分が学生であったなら…、確かに事前に実習する薬局を知りたいとは思うでしょうね。ただそれを知ったところでよいか悪いかの判断ができるのか、という疑問は残ります。
調整機構側は、
どこの薬局にいっても同じ質の実習が受けられるように、質の均一化に最大限の気を遣った
とも説明していますが、2.5ヶ月(11週)の長期実習に対して薬局側の足並みが揃っているかといえば、決してそうとも言えないのではないでしょうか。
どちらが正しいかということについての判断はできませんが、実習をする学生側、それから受け入れ側とも、何となく不安になるような出来事ですね。

コメント
記事の望月氏はかなり抑え目に発言していますが、私は今回の問題の背景には、当面の薬剤師不足を補いたい、優秀な学生を数多く確保したいという薬局側の事情、また将来薬剤師が過剰になった際の有力な就職先を確保したいという大学側の事情が見え隠れしてなりません。
(下記リンクすみません)
一部の大学と現場の都合で理想から遠のく長期実務実習
(アポネットR研究会最近の話題 2008年12月17日)
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/081217.html
大学の言い分としては、病薬も直接契約しているのだから、開局だっていいだろう位のつもりなのでしょうが、休日急病診療所等の見学、防災センター等の見学、学校薬剤師業務に関するもの、薬と健康の週間等における医薬品の適正使用の啓発活動に関するものなど、地域が主体となって行う項目も自前でやるのでしょうか?
この部分だけ調整機構を通してブロック(支部の薬剤師会)として受け入れた薬局と一緒にやるというのも考えられますが、感情論から言ってもかなり難しいことは容易に想像できます。
さらには、うちは何店舗も薬局があるから、指導薬剤師がたくさんいて受入体制が整っているとして、「受け入れ学生数は1薬局で2名」という取り決めすら反故にされる可能性があります。(大規模チェーン店などではおそらく考えそうですね)
そして、学生もおそらく首都圏などの薬局に集中してしまうでしょう。一方で首都圏以外では地域によって学生がほとんど来ないということも出てくるかもしれません。
地域によっては、それこそお金を使い、将来の薬剤師のための受入れ体制作りをしてきたところも少なくなく、表面化してはいませんが、今回の4校の身勝手な行動には、かなりの不満の声が挙がっているとも聞いています。
一部の大学と現場の都合で、長期実務実習が理想から遠のくことは残念でなりません。だれのための実務実習なのか疑問に感じざるを得ません。
初めてコメントいたします。今回の脱退騒ぎには入っていない大学の薬学部4年生です。
昨年行われた薬局実習では6年制対応のためのテストと思われる事項が多く見受けられました。また6年制で必要とされた項目は(その質を無視すれば)二週間でおよそ達成したことにできるということも身を以て知りました。
もちろん、実習において(機構が確保する程度の)標準的なレベルを確保するのは当然ではありますが、それだけで満足するようでは大学が実習について真剣に考えていないとも言われ得ます。受験生や保護者に大学の説明をするときに「事前学習はしっかりやりますが、薬局実習は機構が選んだ場所に任せっきりです」と言わざるを得ない状況では、大学としての魅力は大きく減少します。
調整機構の生まれた背景に「実習を必修化するに伴い、学生の受け皿の確保を確実にする」ことがあったと聞いています。時代としては「数だけは必ず確保する」機構の時代から「大学の教育理念に沿った実習が行える場所を選ぶ」大学の時代へと再び戻るのかも知れません。
……と、結論部分は大学の教員の考えの受け売りが多分に含まれますが、確かにそのように感じました。
ただ、これで機構から抜けた大学がもし一人分でも受け皿を用意できなかった場合には、それこそ存亡の危機に立たされるでしょうね。まず起こらない話ではありましょうが、興味深いところです。
まぁ、大学側の言い分もあるのでしょうけど、そういう身勝手なスタンスをとる大学があり、文科省や機構がその身勝手を許すというなら、申し訳ないですけど実習先の薬局を辞退させていただく選択肢が浮上しますね。
個々の現場がどれほどの犠牲を強いられるのか理解されていない証拠ですからね。
学生の皆さんにも、薬局が学生実習を受け入れるっていうのはあなたがたが考えてるほど簡単なことじゃない、ってことをもう少し理解して貰いたいものです。
企業は(国家試験に通るかどうかすらわからない)学生に教育するために薬剤師に給与を払っているわけではないですから、学生実習を受け入れるために薬剤師を増やすことはありません。
一方、学生が居ようが居まいが患者の数には関係ありませんから、勤務薬剤師にとってみれば実習指導により仕事は増えこそすれ減ることはありません。
もちろん給与が増えるわけではありません。
更に患者からしてみれば、上記の理由により学生がいることで待ち時間が増える可能性が高い。
待ち時間が増えてもサービスが伴わないわけえすから、患者にとっては全くメリットがありません。
その辺、学生はもちろん、現場を知らない大学教員も理解出来ないことなのでしょうね。
そういうことが想像できるからこそ、個人的に今回の4大学の造反には「ふざけるな」と思う次第です。
正直、失望していますよ。
あ、もちろん大学側がいくら望んでも、手を挙げる実習受け入れ先がなければ成立しない話ですから、造反4大学の要請に応える薬局の責任は重大ですね。
実務実習の指導薬剤師って国費を遣って認定されてるんじゃなかったでしたっけ?
そうして実習受け入れ先として任命された薬局が、実習に関して国の意向に反するような独自契約を大学と結ぶことになるわけですよね?
造反が関東圏で予定される全実習数の20%という、あまりに大規模なものになるため問題にしにくい構図になってるのかもしれない(4大学が同時に示し合わせたのは多分それが狙いか)ですけど、ここできっちりと大学側にも応える薬局側にもカタをはめておかないと、間違いなく制度そのものが維持できませんね。
ところでちょっと気になるのがこれらの大学と薬局との間の契約条件なんですけど。
やっぱ2.5ヵ月で25万なんですかね?
さつきさんのご意見、御尤もです。
これは受け入れ準備の段階ですが・・・
自分の薬局にもタスクフォースをしている薬剤師がいますが、平日は通常通り薬局の仕事をし、休日返上で交通費は自費でタスクの仕事をこなしています。
それに対して社長はあまりいい顔をしません。
直接収入につながらないからだと思います。
薬局は企業であり、ボランティア団体ではないので。
受け入れ準備だけでも結構な犠牲です。
現場の薬剤師は忙しい中でも実習を実りあるものにしようと頑張っている方が多いのではないかと思います。
必要であれば仕事はきっちりやります。
が、混乱は御免被ります。
これを読んでいますと医科の研修医制度を思い浮かべます。研修医はとにかく国家試験に合格し医師資格を取得した後のことで実務実習とはやや趣きを異にしますが研修を希望する病院には偏りが生じています。給与を高くしても(研修医には給与が支給されます)研修医が集まらない病院はあるのです。やはり研修を受ける立場にしてみれば設備・システム・指導者が充実している病院を選びたいのは当然です。しかもこれは事前に調べに行くことができます。
私の卒業した大学では今のところ東京でのような動きはないようですがいろいろな面で従来から関係のあった某大学医学部との関係を深めています。薬学部と医学部では学生の実習の性格も異なりますが医学部が自校での(臨床)実習を実施できるのに薬学部ではしないということであれば納得しない人達はいるでしょう。そう考えれば先に投稿された夜外さんの意見は無視できません。
翻って考えるとやはり投稿のさつきさんのご意見はちょっと危険です。自前で実務実習を実施できる大学にとっては痛くも痒くもないからです。
>まぁ、大学側の言い分もあるのでしょうけど、そういう身勝手なスタンスをとる大学があり、文科省や機構がその身勝手を許すというなら、申し訳ないですけど実習先の薬局を辞退させていただく選択肢が浮上しますね。
やはり制度が始まったばかりの今すぐでは無理でも最終的には医科での研修医と施設とのマッチングのように自分のところでは如何に優れた実習ができるのかを競って学生に選択の余地を与えるべきかと考えます。
意見が危険と言われても、自分の率直な感想を述べているだけなので困りますね…
まぁ、私は危険分子なんでしょうかね。
研修医は医師です。
保険医師としての業務が行えます。
研修と終了後の就業とはブランクなしに直結し得ます。
一方、実務実習生は学生です。
保険薬局においては保険薬剤師としての業務もフルにさせられません。
そもそも国試の合格率から考えても薬剤師になれない人間が混ざっています。
以上のことを考えただけでも、両者を比べることが妥当だとは思えません。
というか、問題はそこじゃないんですよ。
国試合格率の高い大学が実務実習に関して薬局との直接契約を結ぶことで、あたりまえですけど機構を通して配置される学生の平均合格率は下がるわけです。
現実的に考えて、合格率の高い大学と直接契約できない薬局は、薬剤師になれない学生が舞い込んでくる率が上がるんです。
だから受け入れ側が努力して実習を委託されるような体制を作れと?
いや、正直努力するメリットが全くありませんので、それだったら謹んで受け入れを辞退しますよ、という話をしてるんです。
誰がどう考えたって、こと薬局においては実習の受け入れはボランティアですよね??え、認識が違いますか?
機構を通して、全ての学生が横並びで、通いやすさだけを考慮して配置されるというフェアな条件だからこそ、自分の薬局に配置される学生が例え学力の低い、国試を通らない可能性のある人間だとしても、結局どこかで誰かが実習を見てやらなきゃいけないんだから、と思って我慢しようと思ってたんですよ、わたしは。
ちなみに、当薬局の属する支部は国試合格率がかなり低い大学が比較的近くにあり、初年度に機構から割り当てられる学生は(残念ながら)九割方そこの学生です。
それでもなんとか良い実習を提供できるよう頑張ろうとしてたんですよ…
そのあたりの思いを大学側・学生・行政・機構それぞれがくみ取ってくれないのであれば、営利企業である会社に無理を言ってまで、プライベートな時間を削ってまで、実習生を受け入れる準備をする必要性なんて少なくとも現場で日々業務に追われている私にはありません。
もちろんこれは感情論です。
更に身も蓋もない話をすれば、薬局実習なんてしなくたって、本人に素質とやる気さえあれば同じ職場で自分の管理下に入ってからいくらでも叩き込めると思いますけどね。
少なくともこれまで自分はそうやって生きてきてますんで。
今日、地元県で認定実務実習指導薬剤師養成講習会があり、やはりこの話題が出ました。東京薬科大、星薬科大は以前から調整機構を使うつもりがなく、日大と昭和薬科大は最近になって離脱を表明したようです。
薬局実習受入人数集計の中間報告も示され、薬局での受入れ可能人数に対する大学のエントリー数(第一希望者数)の割合は首都圏4都県(東京・神奈川・千葉・埼玉)では55~84%だったのに対し、北関東・甲信越各県では12~44%(長野県が最低ですよ)に留まっているそうです。4大学の離脱が少なからず影響していると思います。
それと、日本保険薬局協会と日本チェーンドラッグストア協会も、調整機構を介した実習に参加することになったそうです。
うがった見方ですが、この2組織がタッグを組むことで、日薬主導の受入れ体制に影響を及ぼすのではないかと思います。
実務実習の学生数(薬科大学の数)が海外のように限られるのであれば、夜外さんが発言されたように、直接契約もかまわないかもしれせんが、文科省の無策で薬科大学が乱立し、実務実習が必要な学生が相当数いることを考慮しなければなりません。
もし、ブランド力のある大学や組織と資金力をバックにこういった団体が薬学生を囲い込むようなことがあれば、さつきさんの指摘通りとなるでしょう。
少なくとも、4大学はどのような形で直接契約をしている(もしかしたら、支部丸ごとっていうのもあるかもしれません)のか、契約条件などを公表すべきではないでしょうか。
>皆様
コメントありがとうございます。
一番の問題だと思うのは、どの程度の拘束力があるのかはわかりませんが、大学間で調整機構を通すことを前提としておきながら、それを反故にした点ではないでしょうか。
さつき様のような意見が出てくるのも至極当然と思います。
omagarikun様がおっしゃいますように、学生が選択をするような形はもちろん今後考えていかねばなりませんが、新たなルール作りが必要になるでしょうね。