最近、SNSなどでよく目にする嘆きがあります。「またレセプトを切られた」「前はこれで通っていたのに、なぜ今はダメなんだ」といった声です。
特に分かりやすい例が「重複投薬・相互作用等防止加算」です(2026年の調剤報酬改定で、重複投薬・相互作用等防止加算は廃止され、調剤時残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算に改められます)。正直な話、昔は少し緩い時代がありました。「定期薬が抜けているのを追加してもらった」「患者さんの希望があったから医師に疑義照会した」といった理由でも、すんなりと算定が認められていた時期があったのです。あるいは、そのような記載のニュアンスだけでも審査が通っていた地域や事例が存在しました。
しかし、今はどうでしょうか。ご存知の通り、処方変更を伴う疑義照会であっても、定期薬の追加や患者希望という理由では、まず算定できません。薬剤師としての薬学的知見に基づいた明確な根拠をレセプトの摘要欄に記載することが求められます。
こうした変化を目の当たりにして、「審査基準が変わって理不尽だ」と感じる人は少なくないでしょう。実際に、現場で一生懸命に患者さんのために動いて疑義照会をしたのに、レセプトで査定されてしまえば、徒労感に襲われるのは当然のことです。そして、その怒りや不満の矛先は、どうしても直接の審査を行う「審査委員」や「審査支払機関」に向かいがちです。
「あの審査委員は意地悪だ」「あそこの都道府県は基準が厳しすぎる」
そんな恨み節が聞こえてくることもありますが、少し立ち止まって考えてみてください。果たして、本当に審査委員が個人の裁量や好みで、わざと審査基準を厳しくしているのでしょうか。
決して審査委員の肩を持つわけではありませんが、事態はそう単純ではありません。審査が年々厳しくなる背後には、もっと大きな構造的な理由が存在します。昔は通っていたものが通らなくなる、その本当の理由を知らずして、ただ不満を口にしていても現状は何も変わりません。
昔は通っていたのに、なぜ今はダメなのか。その答えは、審査委員の心変わりではなく、別の理由があるのです。






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