薬局を経営している皆さんは、毎月の医薬品卸への支払いってどうされていますか?
実は私、昔はすべて手作業で振り込みをしていたんです。月末になると請求書を広げて、インターネットバンキングで一件ずつカチカチと金額を手入力して……。
もちろん、これにも理由はあるんです。毎月自分で請求書と向き合って、金額を打ち込みながら「今月はこれくらい仕入れたな」「この卸の金額が増えているな」と肌感覚で把握する。数字を追うという意味では、決して悪いことではないんですよね。
ただ、ふと気づいたんです。「これ、本当に自分が時間をかけてやるべき作業なのかな?」と。
月末が近づくと、請求書の処理や振り込み作業だけでなく、スタッフの給与計算、会計事務所に送るための月次書類のとりまとめなど、事務作業が山のように押し寄せます。大きな組織で専任の事務スタッフさんがいる環境なら問題ありませんが、うちのような小さな薬局ではそんな余裕はなく、結果的に全部私がやらなきゃいけません。
よくビジネス書なんかを読むと、「経営者は社内で一番時間単価が高いのだから、単純作業をしてはいけない」なんて書いてありますよね。
……まあ、うちみたいな小さな薬局だと、私の実際の給料(時間単価)なんて悲しいくらい全然高くないんですけどね(笑)。
でも、金額的な意味ではなく、役割としての「経営者の時間」はやっぱり一番貴重だと思うんです。
その貴重な時間を、誰がやっても同じ結果になる「金額を打ち込む」という作業に使ってしまっていいのか。その時間があれば、現場で患者さんと少しでも長く向き合ったり、薬局の今後のやりくりを考えたり、あるいは体を休めて明日のパフォーマンスを上げることだってできるはずです。
そう気づいてからは、「いかにして自分の時間を捻出するか」を一番に考えるようになりました。自動化できる部分は、徹底して自動化していかないと到底手が回りません。
そこで思い切って、ある時から医薬品の購入代金などは「可能な限り銀行口座引き落とし」に変更したんです。
「数字の把握」は大切ですが、それは引き落としでもやり方次第でカバーできます。小さな薬局だからこそ、まずは仕組みに頼って「時間単価の高い(はずの)自分の時間を守る」ことが、結果的に薬局全体を守ることにつながるんだと、今はそう実感しています。
さて、ここまでは「支払い作業にかける時間をどう削るか」というお話でした。 実はこの支払い方法の見直しを進める中で、私はもう一つ、一般的な経営の常識とは真逆の決断を下しました。
それは、医薬品卸への支払いサイクルを「2ヶ月後」から「翌月末(1ヶ月)」へ、自分から申し出をして、あえて短縮したということです。
薬局経営者の方ならご存知の通り、調剤報酬が振り込まれるのは約2ヶ月後。だからこそ、卸への支払いも「2ヶ月後」に設定してもらうのがこの業界の暗黙のセオリーです。ビジネス書にも「支払いはできるだけ遅くして、手元資金を厚くしろ」と必ず書いてありますよね。2ヶ月待ってもらえるなら、待ってもらうのが経営の鉄則です。
では、なぜ私は、そんなありがたい特権を自ら捨ててまで「1ヶ月前倒し」で支払うことにしたのか?
手元資金が潤沢で道楽でやっているわけでは決してありません。結論から言うと、私は「早く支払うこと」で、今の時代に最も価値のある“あるもの”を得ることを目的にしています。
ここから先は、私が実際に支払いサイクルを短縮して得た「目に見えない強烈なメリット」について、卸側の本音も交えながら生々しくお話ししたいと思います。






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